<< 桜の季節を待つ | main | 新緑のとき >>
春は急に来る。空気の鋭さが少し和らいだと思ったら、梅が咲き始め、桜が膨らみ出し、野花が様々な色と形で咲き乱れ、桜が咲き誇る。何もなかったと思っていたところに、こんなにも生命があったのだと、誇るように存在を現す。そうして、気付けば冬が終わって春になっている。

春は毎年来るものだけれど、今年の春は印象深いものとなった。春の訪れと同時に僕の漠とした願望は具現化した。そうしてこの状況は、秋と共に必ず終わることを知っている。春が訪れると同時に、カウントダウンがスタートした。決して戻らない時計の針。砂時計が落ちきるまでに、僕等はあと何回温度を感じるだろうか。どれだけの時間を過ごすだろうか。どれだけの言葉を交わすだろうか。どれだけのことを知るだろうか。

既視感甚だしい。あのときは梅雨のころに強制終了した。収斂は、終わりに向かう美を持っている。冬頃まで何とか生き延びたけれど、収斂の美を越える程の高まりを得ることはついぞなかった。

あの終わり間際の光は、感情と欲望が混じり合った、とても綺麗な光だった。そしてまた、似た力を感じる光を見た。あのときと同じ、特別な輝き方をしていた。

何度だって繰り返す。そうして僕は傷みながら、感情の発露と芸術の源泉を求めて彷徨う。阿呆の所作だと分かっている。何の未来も生み出さない。それでもそこに客体があるから、僕は何の躊躇もなく、手を伸ばす。

春は終わり、夏が来る。夏が終わる頃、全てが収斂する。その時僕は、何を歌うだろうか。
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double happiness
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