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新緑のとき
霧の町に迷い込んだ
世界はただ白く ただ寒かった
少し晴れ 視界が開け
そうしたら潤んだ新緑が
生きていると 誇らしげに
生命の只中で 曖昧な僕等は
他愛もない言葉を投げながら
皮肉混じりの軽口を叩きながら歩く
終わるなんて想像できない
僕等は生きている この刹那に

春が過ぎ
それでも花は咲き乱れている
見渡す限りのオレンジ
そして路傍の色々な野花
草叢を踏みしめながら
足を少し濡らしながら
横着をして近道を探す

行き先にあったのは
どことなく海を思わせるマテリアル
少し違うらしい嗜好で
故郷を思いながらそれを手にする
僕の故郷 君の住処
いずれそうなる凪を思い浮かべる

夜が訪れ 逃げ込んだ暗がりで
紡ぎ出されたのはコーラル
少し濁った柔らかい朱
ああ また海に会った
君の故郷 僕の故郷

思考が緩む
この町に着いたときみたいに
霧が立ち込める
波に飲まれる
溺れる

また大人の振りをした
それでもあの緑が体に刻みついた
次にこの色を見るときは
今日を思い出すだろう
潤んだ新緑の中にいた
幸福な日を思い出すだろう

瞬間の美を好む難儀な思考
ただ あの日の町は 美しかった
僕等の住処から遠く離れた山の中
そこに僕等は存在した
確かに

この葉が落ちるとき 全てが途切れる
それでも僕は
温度が欲しい
ただ 今
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