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幻影となる瞬間
あの部屋から 多分最後の電話
貴方は近いうちに飛び立つという
漸く開いたドアの先には真っ当な景色
僕等の時間は 貼り付いて あの空間に灯る

あの日 この体は慈しまれていた
あの日 縋るように手を取って 全てを濁流のせいにした
間違っていると思い込むふりをして
その実何も間違っちゃいなかった

振り返れば遅れてきた青春だった
何度もあのドアを叩いた
怠惰な夜明け アルコールにまみれ
幾許かの惰眠を貪り
何も生み出しはしなかった
それでもあれは青い春だったのだ

たった一つにはなれなかった
なりたくもなかった
それでも止まり木のようにあった
僕もそうあろうとした

そうあれただろうか?
そうあるだろうか?

どう思われようと僕は僕等を肯定する
もう少しでタイムカプセルが破裂する
いつの間に置かれた場所が変わり
言葉一つ真っ直ぐに渡せないけれど
肯定する 全てを

感謝だけ電話に乗せた
貴方は察してくれただろうか
あの日僕等は幸福だった
掛け違えの構造でも

この瞬間に胸に灯った思いを抱いて
電話をくれて
堆積を心に抱いていてくれて 有難う
僕の中にも 見えるかな
幾重にもなった堆積が

あの部屋を琥珀にすることを完遂
これからも貴方は近くに在り続けるだろう
僕は近くに在り続けるだろう
それでもあのドアを開けることはもうない
もう 琥珀になったのだから

最大限の感謝を あの箱に
そして今夜 電話をくれた貴方に

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